13人が本棚に入れています
本棚に追加
無我夢中で走った
寝間着一枚なのも構わず夜道をひたすらに
誰にも知られてはいけなかった
彼にも
彼女にも
そして
自分にさえも
胸の奥底に巣くう自分勝手で醜いキモチ
ラグナスと居ると幸せな気持ちになる
けれど
あのヒトが頭から離れない
一番に想うのは彼であって欲しいのに
不器用な笑顔が、離れない
心臓が煩い
胸が苦しい
「…ふっ………んっく」
水滴が 落ちる
思い切り泣きたかった
それでこのキモチが無くなるなら幾らだって泣いた
けれど
どれほど声を上げても
どれほど涙を零しても
余計に苦しくなるだけ…
眩しいくらいに輝く月が憎らしく思える
闇の中を照らす唯一の光
醜い自分が益々淀んで見えて…
それでも、ただ泣くしかなかった…
.
最初のコメントを投稿しよう!