真夏の昼の夢

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僕は歩きながらポケットから携帯を取り出してディスプレイを確認する。 アンテナ二本。 よかった、圏外じゃない。 結局、バス停まであと百メートルくらいのところで急に勢いよく降り出した雨に、僕らは、バス停に着く頃にはずぶ濡れにされていた。 服が濡れているのはヒンヤリとして気持いいけど、このままだと風邪をひいてしまう。 僕は首にかけていたタオルをぎゅっと絞る。 できるだけ水気が無くなるまで絞って、アゲハの元へと行く。 「帽子とって」 「ん……」 僕が言うと、アゲハは素直にそれに従った。 僕はアゲハをベンチに座らせると後ろに周り、タオルでアゲハの髪をふく。 「―――よし、こんなもんだろ」 ある程度アゲハの髪が乾くと、もう一度ぎゅっ、とタオルを絞り、アゲハの肩にかけてやる。 これで、少しは温かくなるだろう。 ―――カクン。 アゲハの頭がゆれる。 「アゲハ。眠いの?」 「んー……」 顔をのぞきこんで見ると、アゲハのまぶたは半分閉じられている。 ……まあ、はしゃいでたからね。 僕はフッ、と息を吐くと、ベンチを周って、アゲハの隣に座る。
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