真夏の昼の夢

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僕は、アゲハから逃げ出していた。 それから、いろんな偶然が重なった。 僕が車道に走り出したのも、たまたまトラックが走っていたのも、そのトラックの運転手が僕を避けようとしてハンドルをきったのも、そのせいで反対車線へとつっこんだのも、反対車線を車が走っていてトラックと正面からぶつかったのも、その衝撃で僕の方へ鉄の固まりが飛んで来るのも全部みんなまとめて――― ―――偶然だった―――。 ああ、僕―――死ぬのか―――。
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