はじまり

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宗典の方は、死もあるかもしれないと覚悟を決めていたが、気が付くと静かで、見たこともない空間にいた。     服装も、鎧をきておらず、かなり動きやすいラフな格好だった。     宗典は辺りを警戒し、近くにあったホウキをとり、敵兵に備えていた。     そこへ武典の妹、ノリコがやってきた。   「お兄ちゃんゴキブリでもいたの?」     宗典は妹の出現にビビった。   そして焦った。   城を攻められたとき、女子どもを真っ先に逃がした。   宗典の妹もそのとき一緒に逃げたはずだった。   「そなた!何している!?はやく遠くへにげるのだ!!」   ノリコは言った   「おおげさだよゴキブリくらいで…   殺したらちゃんと処理しといてよね」   ノリコは洗面所をでていった。     宗典は洗面所から風呂場に入った。   窓から朝日が差し込む。   「おぉ水だ!」     そういえば宗典は城が攻められてから5時間くらい水を飲んでいない。     一口舐め毒がないか確かめると、手ですくって浴槽の昨日の残り湯を飲み始めた。     そこへノリコが再びやってきて、   その光景を目撃した。     「え!?何やってんの?……」     そこへおじいさんのタケゾウがやってきた。   タケゾウは孫が頭おかしくなったと思って口をポケーッとあけて立ってみていた。  image=106794768.jpg
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