世代で一番速い馬

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5月に入り、各陣営は日本ダービーへ向け調整を開始する。 皐月賞組はこぞって日本ダービーに出走登録し、皐月賞で完敗したグラスワンダーを負かすことを目指す。 その王者グラスワンダーも2400mという距離の壁に挑まなければならなくて、再び混戦になるのではないかと騒がれている。 そしてグラスワンダーと同じく無敗のエルコンドルパサーが、ダービーを前にビッグレースに出走した。 NHKマイルカップ(G1) このレースは二強ムードの様子であった。 その一頭はもちろんエルコンドルパサー。 対するはクリスタルカップ(G3)馬で無敗のトキオパーフェクト。 そしてオッズはエルコンドルパサーが1.5倍で1番人気、トキオパーフェクトが2.9倍で続く。 3番人気マイネルラヴは11.4倍、とオッズでも2強の色が強く出た。 結果は、2着に1馬身3/4差をつけて人気に応えたエルコンドルパサーが勝利し、対抗馬であったトキオパーフェクトは14着に沈み、大敗した。 レース翌日、エルコンドルパサー陣営は会見を開いてこう宣言した。 「ダービーであの怪物を倒します。期待していてください。」 もちろん怪物とはグラスワンダーの事である。 しかし、皐月賞組にも強い馬はたくさんいる。そして日本の競馬ファンは例年よりもずっとダービーを恋しく過ごしていた。 そしていよいよ、世代の頂点を決めるレースが始まる。
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