1998年の幕開け

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そして3月8日、トライアルレース初戦の弥生賞。 このレースでスペシャルウィーク、セイウンスカイ、キングヘイローの打倒グラスワンダーの3強対決が皐月賞を前に実現した。 オッズはキングヘイローが2.1倍で1番人気、次いでスペシャルウィークが2.8倍、セイウンスカイは4.4倍となった。 しかし、結果は人気と違った結果になった。直線で脚を炸裂させたスペシャルウィークが1着、逃げ切りを試みたセイウンスカイが半馬身差の2着に、そこから4馬身離れた3着にキングヘイロー。 2歳戦を賑わせたキングヘイローが冬の新勢力に完敗するという結果になり、ますます皐月賞での打倒グラスワンダーが期待された。 そのグラスワンダーは順調に、トライアルレースのスプリングSを迎えた。 準ifレース~スプリングS~ ここでチャンプ、グラスワンダーはその実力を知らしめた。1.3倍の支持を受け、デビュー2連戦を圧勝しているエアジハード、6戦4勝のタヤスアゲインを完璧に封じ、5馬身差で圧勝したのだった。そして好調を維持し、3冠の開幕戦、皐月賞へと向かう。 このレースが終わった時から皐月賞の4強対決が期待されたが、さらにすみれS(OP)で圧勝したエモシオンがその4強ムードの中に加わり、5強対決と新聞各紙は賑わった。 唯一ファンにとって残念だったことは、若葉Sの勝ち馬のグリーンプレゼンスが骨折で春季絶望となってしまった事だった。 そして桜が満開に咲き乱れ、クラシックの開幕を早々と告げた。 そのクラシックを前に4月、エルコンドルパサーが初の芝レース、そして初重賞のニュージーランドTに出走した。 芝は走るのか?という一部の予想家をよそに、ファンはエルコンドルパサーを1番人気に支持した。 そしてエルコンドルパサーも予想家の心配をよそに、先頭でゴール板を駆け抜けた。 この走りを見て、陣営は少し後悔した。 「直接皐月賞に出走しても勝ち負けはあった。」 後悔と同時に、陣営は期待もした。 「NHKマイルCどころかダービーも取れる。」 そしていよいよ最初のifレース、皐月賞が始まる。
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