しょうがないフリーター

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「もしもしっ、あのぅ〰求人情報があったので電話してみたんですが……」            「ああ、あれね。うちは女の子しか募集してないのよ。」             「あれっ、確か男女問わずって書いてあるんですが…」             「うちは家族でやってるの、看板になる女の子が欲しいのよね。」             「はぁ、そうですか…失礼しました。」                         受話器を置いた瞬間に怒りが込み上げる。             「だったら求人なんか出すなボゲェ💢💢💢」             ハローワーク内に響き渡る怒声、周囲の視線を感じながら外に出た。             「何が就職を支援しますだクソったれ、ロクな仕事ねえじゃねえか💢💢💢」             イラついていた、何もかも上手く行かずに。 恨んでいた、世間を、そして自分の人生を…             煙草をくわえて火を点けた。真冬の風が殊のほか身に染みる。             建築関係はもう御免だ、賃金が労働に見合わない。 健康食品の営業なんて最低だ、あんなの上部の人間が得をして底辺の人間なんて働き蜂と同じ。ハイリスク ローリターンだっ。             「さぁ〰て、どうしようかなぁ〰」             働きたい仕事が見つからない。自分は何をすればいいか答えが出せない。 どんなにあがいても生きていく上で金は必要だ。             「どうしようか…」             木枯らしがやけに寒かった。
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