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「猫のくせにイイものしてんなぁ」
ガサガサ
「へっ!?」
また茂みから物音がした。さっきより大きい。
グワッーォ!!
「うわっ!な、な、な、何?!」
出てきたのは、ユウイチよりも一まわりも二まわりもデカいおおかみだった。
「お、お、おおかみ?!ウソ!?何で?どうして??!」
フニャーー!
グルルッ…
ユウイチの頭がこんがらがっている間、猫とおおかみはずっとにらみ合いをしていた。
「もしかして、お前の知り合い?」
ユウイチは腕のなかの猫に問いかけた。
フニャニャニャ!💢
違うようだ。
「じゃあ…………お友達?」
にゃにゃにゃにゃにゃ💢
確実にちがう。
グワッー!!
おおかみがユウイチめがけて突進しながら鋭い爪をユウイチに向けた。
「うわっ!」
紙一重でユウイチがかわした。
ユウイチの後ろにあった木が身代わりになって真っ二つに引き裂かれる。
ユウイチは驚きで声がでない。真っ二つの自分の身代わりの木にもだが、それ以上に目の前にいるおおかみが後ろ足二本で人間のように立っていたのだ。
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