愛のかたまり
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母の腕は、わたしがさっき思い出したものよりも、だいぶ細いような気がした。 『骨と皮』 そのひとことで、形状を的確に表せてしまうような。 扇風機の風が、わたしの顔の、色いろな場所の傷口を撫でて、じんじんと痛みつづける。 「アタシだって、痛いのよ」 母が、床を這うわたしの尿を、雑巾でせき止めながら、そう言った。 (fin)
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