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ねねは白い軽トラの荷台に乗って、同乗しているたんすにしがみついていた。
小さい、ねね。
被っている黒のニット帽は、たぶん去年わたしがつくったものだ。出来は最悪で、それでもねねが欲しいとねだるから、あげた。
持っていたんだね。
わたしも、持っている。ねねが描いた絵。青と、白の、太陽の絵。太陽は青い。青いとおもう。ひかっているから、青くてしろいのよ。ねねは言った。
ねねは青色が好きだから、単純に、そんな理由で青を選んだのだろう。大きく描かれた太陽。ねねそのものを、抽象的に表している。
ねねが太陽ならわたしは月だ。わたしには、ねねが必要だった。ねねの存在が、宇宙の闇からわたしを救ってくれた。
ねね。
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