紙切れ一枚

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ねねは泣き叫ぶ。トラックは走り出す。がたん、がたんと、たんすが揺れる。ねねが泣き叫ぶ。 わたしも泣きたかった。 ねねは泣きながら立ち上がった。すぐにバランスを崩して、転んだ。転んだ拍子に、荷台から投げ出された。 ねねは二車線道路の反対側まで転がった。ねねはまだ泣いていた。軽トラはねねには気づいていなかった。ねねに気づいた反対車線の車が、急ブレーキをかけ、隣の車に当たり、その車はスピンしてまた別の車に当たった。 ねねを助けようとわたしは走ったがあまりの光景に思わず立ち止まってしまった。 車はまた別の車に当たり、それを繰り返したおかげで、泣き叫ぶねねの周りには事故車の輪っかが出来上がっていた。 ねね。 ねねは太陽なのよ。 (fin)
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