そのとき愛したひと

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「カレー食べたい」 「ああ、起きてたの」 キッチンにやってきたタケシに、ミルクティーをすすめる。にごった空の色をしている。タケシはカップに注がれたそれに、さらに生クリームを足した。いつも、それが冷蔵庫に入っているのはタケシのせいなのだ。 「なにそれ。あー気持ち悪い」 あまりにもわかってない。タケシはわかっていない。なんなんだこいつは。ほんとうに。いらいらする。そして泣きたくなる。
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