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駅まで送ってもらい、私はお礼を言った。
「ありがとう!ホント、助かった」
「困ってるみたいだったから、ほっとけなくて…。それじゃ」
美少年がお辞儀して帰ろうとするのを、私は慌てて引き留める。
「あっ、ちょっと待って!」
「はい?」
「あのね、今度お礼したいから…ケー番、聞いていい?」
「えっ、いいですよ、お礼なんて…」
「いいからいいから!」
私は半ば強引に、相手のアドレスを聞きだした。
春樹くん…か。
家の前に人影が見える。
人影は私に気付くと、こっちに向かってきた。
「遅かったな」
「涼!何してんの、こんな時間に?」
「…ちょっと通り掛かったんだよ。そしたらお前帰ってないから…」
「あっ、心配してくれた?ごめんごめん、ちょっといろいろあって…」
「いろいろ?」
「うん。あっ、そう!拓也さんが最低な人でね…」
「話は明日聞くよ。じゃあな」
「えっ?寄ってけばいいのに」
「もう遅いからな。あんまり心配させんなよ」
それだけ言うと、涼は帰って行った。
話聞いて欲しかったけど…まぁいっか。
明日話そ。
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