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「で?次のバカ男はどんな奴だ?」
涼の言葉に、私ははっとして言い返した。
「今度の人はバカでも変でもないもん!なんと、青年実業家!」
自慢気な私に、涼は「へぇっ」と呆れた目をむける。
私はかまわず続けた。
「7歳年上、24歳の拓也さん。IT企業のトップ、つまり社長さんで、すっごく頭がいいの。将来有望なエリートなんだって!」
「誰に聞いたんだよ、そんなの」
「雑誌に載ってたのよ。ほら」
私は鞄に忍ばせていた経済雑誌の一面を、涼の目の前に広げた。
「ね?こんな雑誌にまで載っちゃう人が、変な人なわけないでしょ?私だってちゃんと相手選んでますから」
「はいはい…よかったな、まともな人そうで」
涼は面倒くさそうに、手だけで席に戻れと合図した。
気付くと予鈴はとっくに鳴り終わっている。
私は慌てて席についた。
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