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私には、たった一人だけ愛する人が居ました。
全てを失っても、愛だけは忘れぬように‥‥、そう想ってました。
‥少しだけ、私と彼の過去をお話しましょう。
中学三年 春
《桜庭 姫華!!》
《~‥フルネームで呼ぶなって言ってるでしょ!!》
《ごめんごめん(笑)
でもさ折角席も隣どうしなんだし、仲良くしよーぜ♪》
《誰がアンタなんかとっ!!》
三年に上がって席が始めて隣になれた。
私は一年の時からずっと、貴方が好きでした。
隣になれた事で、私によく話し掛けてくれて、あの時の私はスゴく嬉しかった。
─今でも、覚えていますか?
中学三年 夏
《あれ?なんか元気無いね?
何時もの元気は何処いった?》
《桜庭ぁー‥
俺さ‥好きな奴出来たかも》
《‥‥そ‥うなんだ‥。‥どんな子?》
《部活のマネージャーやってくれてる子なんだけど、めっちゃ優しくて可愛いんだっ♪》
《そっかー‥。
‥頑張れっ!‥アンタなら絶対に付き合えるよ!応援してる》
《‥‥おう(笑)》
あの時の貴方は、とても輝いていて、その子の事が本気で好きなんだなぁ‥ってのが痛いくらい伝わった。
でも、そんな貴方を見て応援しない訳にはいかないから、私は応援する事にしたんだ。
だけど、胸が痛かった。
叶わない恋だってのは分かってたけど、涙が止まらず溢れてきたんだ。
‥‥こんなにも好きなのに、素直になれない。
中学三年 秋
《桜庭ー♪
今度、デートする約束しちゃった♪》
《デート!?》
《おう(笑)
まだ付き合ってねーし、告白もしてねぇけど、快くOKしてくれた♪》
《‥‥そっか~‥
‥良かったじゃん!‥頑張ってきなよ!!》
《ん。ありがとな。
‥桜庭良い奴だよなー♪好きな奴いねぇの?》
《い、居るわけないでしょ‥》
《なぁんだー。居たら協力してやろうと思ったのに。‥ま、桜庭ならスグに彼氏くらい出来るか(笑)》
《もう‥煩い!
‥私の事は良いから、自分の事考えなよ》
《‥‥わぁーったよ(笑)》
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