君と僕

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 僕は携帯で起こされた。『CAN’T HELP FALLING IN LOVE』これはメールの音だ。しかもメグミだけの着信音。僕はゆっくり眼を開ける。周りは真っ暗だ。 「てか今何時?」  僕は枕の横の携帯を取り、パカパカを開いた。携帯の画面には三時十三分と表示されている。細目でメグミからのメールを見た。その瞬間、僕は一瞬にして目が大きく見開いた。 『今から死にます。』  メールはこの短文のみだった。僕は慌てて、電話帳を開き、メグミに電話を掛けた。眠気などどこかにいってしまった。電話は呼び出し続けているが、メグミはなかなか出ない。 「まじか。」  僕は独り言を言いながら、「プルル、プルル・・・」という繰り返しの音を聞いていた。一分以上鳴らしたけど、メグミが出る事はなかった。 「どうすればいいんだ。」  太股を指で叩きながら、僕は考えた。しかし今は考えている猶予などない。僕はジャージを着て、自分の部屋を出た。玄関の扉を開け自転車にまたがると、全速力で真夜中の闇に駆け出した。
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