二十二歳

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「来週なにやる?」  僕はみんなに聞いた。僕らのバンドは仲良いバンドと、百人ぐらいのライブハウスで月一回対バンライブをしている。それが来週であった。 「新しいのは出来たの?」  真也が僕に聞いてきた。このバンドの曲はだいたい僕が作っていた。一応リーダーも僕だった。 「まだ全然。」 「そっか。じゃあ先月とあんま変わらないかな。」 「なあ。オリジナルまでいかなくても、なんかのカバーをアレンジしたら?」  ドラムの斉藤が提案してきた。僕はそれに聞き返した。 「なんかやりたいのある?」 「なんか最近思ったのは、洋楽のカバーは多いから、『上を向いて歩こう』とかいいかなって思った。」  僕らのバンドはロックパンクバンド。『カントリーロード』をパンクバージョンでしたことはあった。 「いいかもね。世界に通用する日本の曲だしね。」  真也は乗り気で、修二も頷いた。僕的にもおもしろいかなと思って、了解を出した。そして僕らは練習を始めた。あれこれ注文を出し合って、結局三時間も練習していた。 「よし。今日はここまでにするか。」
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