繋いで、手。

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刻々と時間だけが過ぎていく中、改札横の柱に寄りかかって捜した。 見つかるかどうかもわからない相手を… ざわざわと目の前を通り過ぎてゆく人の群れ。 カツカツとヒールを鳴らしながら歩く女性や電話をかけながら歩く学生を見ながら捜した。 目を休められない。 電話をかけてみようかとも考えたけれど、今更と思う自分がいたし、メールを送ろうとしたけど、指が拒否した。 いくら春とはいえ、暗くなるにつれて肌寒くなってくる。 まだ少し冷たい風が私の髪を揺らし、肌に当たる。 「祐介さ…ん…」 勝手に逢いたいと思って来てしまっただけだけど、偶然でも、必然でも、有り得なくても、触れれなくても、話せなくても、繋げなくても、あなたを一目見たいだけ。 一目だけ…そんな勝手な私を神様はどう思いながら見ているのだろう。 どう思いながら…
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