迷いという暗闇

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『翔?何でそんな笑顔なの?』 「何でって俺の子じゃん!!」 ニコニコ笑ってる翔を見て …何も言えなかった …喜ぶ事も泣く事も …できなかった… 何よりも不安と焦りが自分の頭だけじゃなく体からも伝わってくる…。 [どうして…?もっとしたい事あるよ…何でこんな気持ち悪い思いしたり辛い思いを自分が?…] 頭の中で沢山の悲鳴が聞こえる。いつの間にか涙が… ポタッ…ポタッ 枕に一滴ずつ落ちていく… たった一秒の時間とともに… この間にもお腹では小さい命が少しずつ大きくなってるんだ… 今の自分には母親何て無理だよ… 家族は壊れてるし…バイトもまともにできないし…全てが怠くて何もやる気起きないのに… 人を育てる何て無理だよ… どうすればいいの…? 誰か教えて…? 色んな事が頭を巡ってなかなか寝付けない…もう枕はビショビショ 本当馬鹿みたい… 人の言う事聞かずに好き勝手やって… 家族が壊れて勉強が手につかなくて…やりたかった事あっても口だけで終わって…弱いくせに強がって皆の前で泣かないで…辛い事あっても一人で抱えて…人に頼れない自分 恥ずかしい人だよね… 今の自分には夢も希望の光りもない… 毎日の様に枕を濡らしこんな事考えてた… 何日かたって…お腹に手をあて問い掛けてみた もしかして…あなたが私を変えてくれる? ここ迄来たのも運命であなたがいる事も運命なら…あなたは私の何かを変えてくれるかも…? ねぇ…赤ちゃん…こんな私でもあなたの母親になれますか? 私を受け入れてくれますか? あなたに私がどんな人であろうと母親として選んで生まれて来てくれるなら私はあなたを生みたい…。 何も分からないし不安しか無いけど… 生みたい…。 今…お腹であなたが返事をしてくれた気がしたよ… ちゃんと分かってるのかな… お臍繋がってるんだもんな… ねぇ…私…いや…ママは反対されてもあなたを生みます。 辛いけど…私のお腹にいる大切な宝物だもんね…。
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