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闇と孤独のなかのゴールのない迷宮を彷徨い。
僕は…疲れていた。
その時、一つの光が見えたとても小さく弱い僕に似た光。
孤独だった僕は、必死にその跡を追い掛けた。
不意に足をとめた、気付くと辺りには光が点々と。
その中にさっきの光があった。
その火は、淡い赤の火で、なんだか暖かかった。
冷め切った僕のカラダが少しづつ暖まる。
そして、僕はやっと気付いた。
自分に欠けていたものそれは…心だった。
傷つく事を恐れ閉ざしていた僕の心に。
…僕は火を包んでいる鉄を剥がす決心をした。
閉ざされた心を開く決心を。
そして、一つの火は力を戻し…辺りは光に包まれた。
ふッと横を見るとそこには、女の子が立っていた。
僕を闇から救ってくれた光の持ち主だった。
その頃の女の子は何か淋しげで、僕は黙って隣に座っていた。
僕はただ隣に居た、時にはくだらない話をしてとにかくずっと座っていた。
ただそこに居たかった。
…時が経つにつれて彼女の顔に笑みが戻ってきた。
それに釣られて笑っている自分もそこに居た。
そこで目が覚めた。
何だかすっきりとした目覚めで気分が良かった。
後になって考えると、あの夢は…
…心の叫びだったのかもしれないな。
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