人を見かけで判断してはいけません。

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金城 亜芽(カナシロ アメ)。 17歳♀。 “学園の天使”って呼ばれてます。 が。 「あ、もしもし卓也? うん、そうよ。…え?今から?」 トイレの中で電話をかける。 「無理に決まってるでしょ…?…ダメよ」 段々と声が大きくなる。 が、幸いトイレには誰もいない。 「卓也」 「私の言う事聞きなさい」 天使は表の顔。 照れた顔も 仕草やおとなしげな性格も みんな計算。 「…言う事聞けないなら…別れてくれる?」 携帯の向こうから、焦るような声。 亜芽はそんな雑音に眉をしかめた。 プッ… 携帯の電話マークのボタンを長押しする。 パチン、と携帯をたたみ、鞄にしまいこんでトイレを出た。 「あ、亜芽さんおはよぉ―。メイク直し?」 クラスの女子とばったり出会う。 すると、表情をがらりと変えて満面の笑み。 「…えぇ、一緒に教室まで行きましょうか❤」 私は “学園の天使”。
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