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教室に入る。
入った途端、みんながコチラを向く。
「亜芽ちゃんおはよう」
「おは、亜芽さん」
「おはようございます、みなさん」
亜芽は優しげな笑顔を振りまく。
教室が落ち着きをとり戻したように、みんなの頬がゆるむ。
「やっぱ亜芽ちゃんの笑顔がないと、朝は始まんないね」
あはは、と笑いながら席につき、鞄を下ろす。
ガツ…ッ
……あ…
鞄を置いた時に、中の携帯をぶつけた。
しかし、みんなはさほど気がついてない。
……よかった…
ホッと胸を撫で下ろす。
学園天使の金城 亜芽が
本当は
天使なんかじゃなくて
“かなりドSの悪魔女”
だって事は
みんな
知らない。
知られるわけにはいかない。
みんなに携帯がばれるのもダメ。
校則は別にオッケーだけど、見られたら終わり。
だって
メモリの9割は他校の男だから。
見られたら
今までの苦労が水の泡になってしまう。
金城 亜芽は
優しくて控えめで
落ち着いていて
触れると壊れてしまうような
純粋な少女。
と、
皆は信じて疑わない。
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