ドラえもん最終回版

2/4
前へ
/34ページ
次へ
いつものようにのび太は学校にいた。   それはいつものような晴れた一日の始まりでもある。   学校ではおなじみのジャイアンがいる。   そして、自慢好きのスネ夫、おしとやかなしずかちゃん。いつもどおりの風景だった。   そして、この日もおなじみのメンバーからストーリーが始まろうしていた。   ジャイアンにのび太がいじめられ、それをドラえもんが助けてくれる。周知の展開だ。   案の定、学校でのび太がジャイアンにいじめられた。 何をやっても泣くだけののび太。   けっして、自分では解決しようとしない。   そして、いつものようにドラえもんにすがろうとする。   いつもの光景、いつもの展開。   それは見ている者だけでなく、のび太自身そう感じていた。   『このままでいいのか。』   ドラえもんに頼りきっている自分自身に苛立ちを隠せない。   そして、家に着く頃にはジャイアンに仕返しをしようとしていた感情が、いつのま にか消えていた。   『ドラえもんがいなけりゃ何もできない。』   のび太はそれを認たくなかった。誰に言われた訳でもない。でも、誰もが考えてる事実だった。   『今日からは自分のことは自分で解決する。新たなのび太の決意である。   負けっぱなしののび太。 この境遇から抜け出さなければ、将来の自分さえ哀れに見える。   とりあえず、ドラえもんにその決意を伝えようとした。   ・・・・・。   ドラえもんがいない。   どら焼きを買いに町に出ているのだろうか。   いつもの部屋で待つのび太。   両手を首の下に置き、足を組みながら横たわる。   横たわる首の辺りには座布団を丸めて枕代わりにしている。   いつものスタイル。   そう、何もかもがのび太は同じ「スタイル」。 それが気に入らなかったのか、のび太は寝返りを打つ。   『それにしても、おそいなぁドラえもん・・・』   いつのまにか寝ていた。もう日も暮れている。   なのに、ドラえもんは帰ってこない。    何かがおかしい。 いつもと違う。   のび太は不安に駆られる。   どこかで、道に迷っているのかもしれない。   しっかりしているようで、頼りない一面を持つドラえもん。   のび太が一番良く知っている。   辺りは暗くなってきた。 不安はさらに大きく募る。   その時『のび太、ごはんですよ。』
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

175人が本棚に入れています
本棚に追加