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あたしは続けた。
「星野も、頑張りすぎてたんだよ。一度に、大勢の人に振り向いてもらおうとして。だから、光れなくなっちゃったんだ」
「頑張りすぎた?」
「そうだよ」
あたしは自然と、言葉に熱がこもった。
「みんなに振り向いてもらうんじゃなくて、誰かに振り向いてもらえたら、それで良いんじゃない?」
「誰か?」
「そう、誰か!どこかで見ていてくれるかもしれない、誰かのために光るんだよ!そうすれば、一生懸命になりすぎなくても良いでしょ?」
星野は悲しそうな顔をした。
「そんな人、いるでしょうか?」
「馬鹿ねぇ!」
あたしは、星野の角に手を当てた。
「あたしが、その人だよ!あたしのためには、光ってくれないの?」
我ながら、少し恥ずかしい台詞だった。でも、本当のことだし……
すると、星野の顔がにわかに輝いた。ううん、顔だけじゃなく、星野のからだ全体が、金色に輝き始めた。
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