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視線の主は、キッチンの隅にいた。 両膝を抱え込み、顔だけを上げて私を見るその姿は、十六、七歳の少年に見えた。 彼の視線と私の視線が交差する。 ――恐怖は感じなかった。 「どうしてここにいるの?」 私の問いに、彼は首を傾ける。 「わからないの?」
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