ラブレター

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でも念のため、おれは訊いてみた。 「おれたちが初めて会ったのって、高校二年のときだったよな?」 確かそうだったはずだ。でも何月だったのかは定かでない。 「何? 突然」 彼はちょっと不機嫌そうに、チラリとおれを一瞥した。 「あんまり思い出したくないんだけど」 今とは全く別人の、髪を金髪に染め、だらしなく制服を纏っていた彼の姿が思い浮かび、おもわず失笑してしまった。 それから数年後、偶然再会した彼は、まるでただ呼吸しているだけの廃人だった。 雨の夜、路面に散った桜の花びらとともに、雨に打たれ消え失せてしまいそうだった。 「…そうだ、再会したのは春だ。じゃあ違うか…」 「初めて会ったのも春だよ。二年のクラス替えで一緒になったんだから」 その通りだ。 だったら3日後は何の記念日だ? 変な考えにたどり着いてしまい、おれはそれを誤魔化すようにカレーをかき込んだ。 女の子じゃあるまいし、初めてデートしただとか、キスしただとか、そんなことを気にする方がおかしい。 結局3日後が何なのかわからないまま、丸2日が過ぎた。
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