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青年部の若者たちの指示を仰ぎ、無数のライトが配されたコードを括りつけていく。
作業の間、彼はおれの知らない人々と会話し、始終笑顔だった。
一抹の淋しさが体中に広がって、おれはぎこちない造り笑いしかできなかった。
2時間あまりで作業は終わった。
少し離れた校庭の片隅でおれと彼は、それが点灯されるのを待っていた。
カウントダウンの陽気な声が、風に流され耳に届く。
「…来年も手紙出すから。再来年も、その次も」
煌びやかな光が降り注ぐ。
伸ばされた彼の手は、おれの手をしっかり掴んでいた。
来年も、再来年も、
彼からのラブレターをおれは心待ちしているだろう。
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