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化学の授業が終わって、僕は君にあからさまに文句を言った。
「すかしてんじゃねぇよ」って。
君は一瞬、驚いてそれからこう言ったんだ。
「すかす? ごめん。そんなつもりじゃなかった」
「…うぜぇやつ」
君はキョトンとしてた。きっとウザいだなんて言われたことなかったんだろ?
怒ってさっさと出ていくだろうと思ってたのに、君はトンチンカンなことを言った。
「髪、綺麗だね」
僕の方があっけにとられて、何だか恥ずかしくなって、慌てて教室から出ていったんだ。
馬鹿じゃねぇの、あいつって思いながらね。
ただの優等生だと思ってた君への印象があの時変わった。
変なやつ。
僕にとってはいい意味での変なやつ。
君はきっと覚えてないだろうね。
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