僕と君 -1-

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それから僕は君とはほとんど口を利かなかった。何だか変に意識してしまって、どう接したらいいのかわからなかった。 告白されて、断るのが面倒で付き合っていた女の子は何人かいたけれど、ふと気づくと目で追っていたり、そのくせ目が合うと何だかムカついてイライラする、そんな相手は君が初めてで、僕はそれが何なのか、当時はまるでわかっていなかった。 誰かを好きになったことがなかったから、好きだと言う自分の気持ちさえ理解していなかったんだ。 だから僕は君と友達になることもなく卒業して、君との縁は途絶えてしまった。 君は都内の大学に、僕はデザイン関係の専門学校に進んだ。 君に会えなくなってから、ようやく僕は自分の気持ちに気づいた。 君の姿が見られないことが、とてつもなく寂しかった。 高校時代、もっと仲良くなっておけばよかったと後悔した。 もう、遅すぎたんだけどね。 僕はヤケになって遊び歩いてた。 自宅にも帰らなくなったし、誘われれば男女構わず誘いに乗って、寝まくっていた。 段々感情が麻痺してきて、可哀想だとか、悲しい、嬉しい、そんなことを感じられなくなっていった。 僕はアンドロイドだとか、氷の王子だとか呼ばれてた。
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