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「銀地さん、起きてください、銀地さん!」
樟葉が寝ている銀地の体をユサユサと揺らしている
だが銀地は幸せそうに寝息をたてているだけで、起きない
「随分幸せそうですね~」
ピクンと銀地は反応し、また寝息をたてだした
「はやく起こさなくちゃね~まぁ、こんな手荒な方法は嫌いなんだけど……」
刹那はニヤニヤするのを必死で抑えながら言った。もし銀地が起きていたら「いや、絶対好きだろ! 手荒な方法」と言うほどニヤケている
「ほら~起きなさいな……ミニマム電気板(ミニマムエレキバン)」
刹那は指先に一辺がニセンチほどの電気の板を作り出し、銀地の体にゆっくりと近づけた…
「くふ……ふふふ……」
刹那の表情は明らかに楽しい! と書いてあるような笑みを浮かべていた……
バチバチバチ!
迸る電気の弾ける音
「ぎゃぁ~~~」
銀地の叫びはクラスに反響し、消えた
銀地は煙をだしながら動かない
「ん~加減間違えたかな? なら滝水(タキミズ)」
銀地の真上から滝のような勢いで水が降りかかり、銀地を濡らした
「ぶはぁ! な! なんだぁ」
銀地は濡れた髪を左右に振り、水を飛ばしながら跳ね起きた
「やっと起きたわね、さっさと……」
刹那は初めて見る銀地の素顔に見とれてしまった。樟葉もだ
「へえ、そんな顔してたんだ。よく見たこと無かったから驚いたよ」
サタメタを初めて喚んだ時にも見ていたが、その時の記憶を消されていたので初めて見る事になる
銀地は格好いいという事を忘れるなかれ
「つめて~つか何でこうなったんだ?」
銀地は指先に火を灯し、暖をとりながらボーっとしている刹那に聞いた
銀地に見とれていた刹那はハッと我に返る
まぁ色々説明していく内に銀地は少しずつ青ざめていった
「またあれを喰らうわけにはいかん!」
銀地は指輪を使い、メタルイーターを取り出し、板の形にする。まぁ4人くらい乗れるように他の金属を無断で取り込んだのは内緒だ
「早く乗りな」
三人は板に飛び乗り、準備完了
「いくぜ」
銀地は板の下に倒れた水筒みたいな形を作り出し、そこから火を噴出させ、スピードを速める。飛び散った火は刹那がすぐさま消火する
学園にはスプリンターはない。なぜなら火が燃えさかってもすぐさま誰かが消火できるからである
銀地は道場の入り口の階段に突っ込み、地下に向かった
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