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ワラをも掴むとはこの事だ
(そんな事で…)
と、鼻で笑う様な事も、脳裏にはしっかり焼き付いている
離れて『妙の手料理食べたい』と言われる…
(…良いかもしれない)
幸い料理は得意だ
今の所、外で会う事が多いのでまだ1回しか作って無い
「そうね、意外とそういうのって良いかも」
「でしょ?」
食後のコーヒーとタバコを飲みながら、小夜子が笑う
「でもさ?」
「?」
「妙の中に付いて行くって選択肢は無いの?」
「う~ん…」
悩む妙
「本当に宏明くんと離れたく無かったら、妙が動くって事も考えた方が良くない?」
久々に親友らしい心に刺さる言葉
妙は唸るだけで、返事が出来なかった
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