自分が昔いた表世界、今はもう戻れない夢世界

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「ハァ~……疲れた。なんなんだよ一体……」 「衛♪お疲れ様。大丈夫?」 ぐったりした俺に話しかけてくる紅い髪の猫のような女生徒─焔 紅蓮─ 俺の幼馴染みでもあり、にっくき天敵でもある。 「大丈夫なわけないだろ。なんなんだよあいつら。まじウゼェ」 今は昼休み開始十分経過。まだ飯を食っていない。 「休み時間毎に毎回毎回押し掛けて、追い掛け回しやがって………」 実は一時間目が終わった直後の休み時間。いきなり白い集団が目の前に現れた。どっかで見たな、こいつらの顔?なんて呑気に考えていたけど、こいつらは思った以上にしつこかった。 やれ「綾瀬川様とは一体どういう関係なのだ!?」とか「綾瀬川様に近付くな下朗!!」とかほざいて、素通りした俺を追い掛けてきやがったり。 それが一時間目が終わった直後の休み時間の話。 二時間目が終わった直後の休み時間は、今度は紅い集団が現れて、やれ「焔様とは一体どういう関係なのだ!?」とか「焔様に近付くな痴れ者!!」とか、どっかで聞いたごたくを並べてつっかかってきた。だから無視して避けたら、案の定追い掛けてきやがった。 三時間目が終わった直後の休み時間は、今度は蒼い集団が現れて、やれ「雨那様とは一体どういう関係なのだ!?」とか「雨那様に近付くな変態!!」とか、またまたどっかで聞いたごたくを並べてつっかかってきた。しかも今度はかなり失礼なことを言ってきやがった。貴様らと一緒にするな! 【真・天の声】大丈夫。君も十分変態だ。 黙れ!何処がだ!! 【真・天の声】護衛とか都合のいい解釈で盗撮してんだろ~ してねぇ!!能力で感じるだけだから覗きにならん!! 【真・天の声】ちぇっ!つまんねぇ お前もう黙れ! えーと、話を戻そう。次に昼休み。今度は白、紅、蒼の三組が同時につっかかってきた。必死に逃げ回ったが、あいつら何気に足はぇぇ。幾等本気を出してないとはいえ、陸上選手が見れば卒倒ものの速さで走ったつもりだ。なのにあいつら、つかず離れず追い掛けてきやがる。めんどくなったから、全員ボコって廊下に寝かした。誰かが後でなんとかしてくれるだろう。 あぁ、でも一つだけ。あいつらを誉めるべき事がある。名前だ。白い集団は「白い翼」、紅い集団は「紅い太陽」、蒼い集団は「蒼い奔流」らしい。いやぁ、あれはかっこいい。名前だけは好きだよ、俺。
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