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その後も、体重測定や聴診器、胸のしこりの有無などの診察が行われた。
その度に少しずつ増えていくカルテの記入をちらちら見るけど、何を書いてるのかはわからない…当たり前か。
「…朱槻さん、念のために少し検査しましょうか」
「検査…ですか?」
もしかして、何かわかったの?…
「あの…娘は何か悪い病気なんですか?」
「いえ、そんな大袈裟なことではなくて、軽度の子宮内での炎症やホルモン以上などの可能性もあるので、そのための検査ですからそういうわけではありません」
「そうですか…良かった…」
それを聞いてお母さんはホッと胸をなでおろす。
「それでは案内の看護婦を出しますので、朱槻さんは先に出てついていってください」
「…わかりました…あの、お母さんは…」
「あ、じゃあお母さんも一緒に…」
「検査自体は簡単なものですから、お母さまはこちらに待機していてください」
お母さんの言葉を遮るように九条先生が強い口調で言った。
先生にそう言われてしまえば、もう引くしかない。
仕方なく、そのまま案内の看護婦に支えられるようにして検査に向かった
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