†初体験†

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    覚悟はできた。 いや、やっとこの時が来たというべきか。     今まで入ったこともないキレイな部屋、おっきなベッド。 流れてくるクラシック音楽はすごく心地よくて、私の緊張を和らげるのには最適だった。     これから始まる、私の生涯最初で最後の 出来事…初体験。   ずっと、私には思い描いた理想があった。     唇と初体験… それは絶対に、私が本気で好きになる人に出逢うまでは守り続ける…ということ。   あくまでも理想だった。 だけど、運命って信じてみるものなんだなぁって…この人に出逢って、そう思えるようになった。     私の唇も 心も カラダも   全部この人に出逢うためにあったんだ。 今なら大袈裟じゃなく言える気がした。     大きな雄弥のカラダが私のカラダと触れ合って、子猫のようなじゃれあいから激しさを増していく。     「ぁ…んっ」   「嘉奈衣…かわいいよ…」      「ぁ…そんなことナイ…から…」       優しく、そして大胆な雄弥の愛撫は僅かな理性をも奪っていく。   私はその腕の中で堕ちていった。     雄弥は初めてじゃないらしいけど…関係ないよ? あなたにこうして抱かれていられたら、私はそれだけで幸せだから。 もっと私を知って…純粋にそう思うの。     ただあなたを受け入れたくて… 大好きなあなたの全てを受け入れて一つになりたかった。   そして、その時はきた。     「嘉奈衣、もう…いい?」     「うん…きて」   「わかった……あれ?」      「どしたの?」       「ごめん、ゴム忘れちゃった…ヤバいよな、止めとくか?」   「え…うぅん、今日は大丈夫な日だから」     その言葉を聞いて、雄弥と私は繋がった。  
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