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初体験から2ヶ月後
その日は朝から少し体が重かったけど、元々低血圧だからそれほど気にしてなかった。
しかもその日は体育の授業で持久走があって、運動バカのあたしには落とせない…
私はテニス部で毎日走り込みをしていたので、持久走には自信があったから。
体育の頃には体調もだいぶ回復していたし、躊躇うことなく私は授業にでた。
この日も男子のトップクラスとほとんど引けをとらずに、男子で三番目の雄弥と並んで走っていたんだ。
「雄弥~今日は負けないからね!」
「ばぁか!お前が勝つなんて10年早えよ」
学校まではあと3分くらい、だけどなかなか距離は縮まらない。
さすが男子…スタミナがすごい。
「このぶんだと、また俺の勝ちだな!」
「言ったな!この…」
雄弥の挑発に乗って速度を上げようと力を入れたその時だった。
「(え…何…力が抜ける…)」
何故かもわからず、急に意識が遠退いて道路わきに倒れてしまったのだ。
「…え、おい!嘉奈衣!?嘉奈衣!!!」
雄弥の声が聞こえる
でも、すごく遠くに聞こえる
こんなに近くにいるのに、雄弥が遠いよ…
私、死んじゃうのかな…
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