第1章 王の花嫁☆仮

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綺流兎(キルト)ちゃん、右手出して」  『ステキ★妖魔人(ヨウマビト)(やかた)』(ネーミング悪いが、つまりは、妖魔人専用の宿)にて。  食堂で、『ニッコリ~ナ妖魔人新聞』の朝刊を眺めていたあたし――綺流兎・ノーエル(16歳)は、気になる記事を発見していた。  『人間たちの住む都・守源国(シュゲンコク)の国王が近々、婚礼の儀を()(おこな)う』 「うわぁ…何、この記事!?」 「綺流兎ちゃん、聞いてる?右手…」  『彰円(ショウエン)・ギルバート王のハートを射止めたのは、何と田舎娘!名を里乎(リコ)・ブルック。これぞまさに、玉の輿(こし)!…』 「嘘……里乎さんがあのブタ…じゃない、王様と~~!?」
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