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『夕羅っ、何勝手に身代わりんなって!捕まって!処刑されようとしてんの!?』
「え、イヤ、…あはは」
『笑って誤魔化すな!』
「…ハイ。」
あたしの勢いは止まらない。
『おまけにさっきの告白!ムードも何もあったもんじゃない!あーいうのは、ふたりっきりの時にしてよっ!』
「あ…ハイ、すみません…」
『わかればよろしい。』
素直に謝る彼に、一人納得したあたしは、今度は国王の方へ向く。
『国王様!手配書の人物って、本当はあたしでしょ!違う!?』
『あ…ぅ…、そ、そうじゃ!…そちを余の、愛人1号に…』
「………彰円様?愛人って!?…1号って…、2号や3号もいるんですの!!?」
国王の横で、里乎の目が光った、…気がした。
『あばばばっ…ち、違う!誤解じゃっ!』
…何かモメてる様だが、知ったこっちゃない。
あたしは、観覧席を見渡す。
『聞いての通り、この人は無実よ!処刑は中止!!……異議ある人!?』
シーン…と静まり返る。
そして、
パチパチと拍手が聴こえてきた。……架那と蒼大くんだった。
それから、拍手の大洪水と歓声が、コロシアムに沸き起こる。
――気付くと、観客のほとんどの髪が、キャラメル色に変化していた。
「…今頃、効果出てきたワケ?」
「え、何の話?」
「後で話すよ……」
深い溜め息のあたしは、すでに武器を地面に置いた槍兵たちに、夕羅の縄を解くのを手伝って貰う。
自分たちの君主が情けないのか、バツが悪そうに見える。
…彼らも処刑なんかやりたくなかったのかもしれなかった……。
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