第7章 長い一日の終わりと始まり

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「ちょっと、何すんの!……?」  …夕羅の表情が険しい。  彼の視線は、処刑台の後片付けをしてた、一人の兵士に向けられていた。その兵士は怯え顔で、後ずさる。 「?…な、なんですか、一体……」  ……この人…。 「綺流兎ちゃん、下がってて。こいつは」  夕羅が言い終わる前に、あたしは一歩踏み出していた。 「…!?」  その突然の行動を、兵士は予想してなかった様だ。 「覚悟…っ!」  ぐい~ん☆  あたしは、兵士の両耳を力の限り引っ張った。 「い…()っ…!!」  兵士の顔が歪む。  その途端、ザァァーっ…と、彼の頭のてっぺんから足の爪先まで、木の葉が剥がれ落ちてゆく。  …そうして。  兵士に化けていた男の姿が、あらわになった。  ――金色(きんいろ)の切長な目と少し長めの髪。  濃紺の着物(どっかの民族衣装みたいだ)を身に(まと)って。…夕羅よりやや長身の男だった。  整った顔立ちだが、冷たい印象を受ける。 「……あんたが、火鷹(ヒダカ)ね」
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