第7章 長い一日の終わりと始まり

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 軽く舌打ちすると、奴は汚いモノでも見るかの様な目付きをして。 「僕に話し掛けるな、…ゴミが」  ゴ……ゴミ。  ゴミって、………あたしかいっ!? 「……俺をこれ以上怒らせると、命の保証…無いよ?」  あたしより、夕羅がカチンと脳天にきたみたいだ。  辺りの空気が、ビリビリする。 「もう()めてよ、火鷹兄ちゃん!」 「成る程…蒼大が僕の変身の解き方、教えたんだ?」 「兄ちゃ…」  ボシュッと音がしたかと思うと、近付こうとした蒼大くんの足下に、青白い炎が出現した。 「蒼大!」  架那が素早く、蒼大くんを抱きかかえ、後ろへ下がる。  もう少しで、炎が燃え移るところだった…。変身以外に、あんな事も出来るの? 「実の弟になんて事するのよぉ!信じらんない!」  憤慨してる架那。蒼大くんが震えてるのが、見えた。  ――なんなの、コイツ。
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