第7章 長い一日の終わりと始まり

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 ……火って、思ったより熱くないんだ……。  ちょっと、ヒリヒリするけど。  ん?………あたし、生きて…る? 「……ありゃ??」  パチっと目を開ける。  …白い天井に、豪華なシャンデリア。  フカフカな感覚を背中に感じる。……妖魔人の館のベッド…じゃない?  ぼんやりする頭を横に向けてみると。  わっ…!?  夕羅の寝顔の超アップ。  あたしが寝かされてるベッドに、頭だけもたれ掛かってる。  しかも、あたしの包帯で巻かれた左手を、彼の手がしっかりと握っていた…。 「え?…え!?な、何がどうなって…」 「綺流兎!気付いた!?」 「きーちゃんっ!平気!?」  架那、そして蒼大くんの心配顔が夕羅の背後から、ぴょこっと現れた。 「ここどこ?あたし…燃えたんじゃなかったっけ?」 「ここは守源国の城内。里乎って()(はか)らいで、客室を貸して貰ってるの」  里乎さんが…??  ふと自分の体を見ると、首から下は、包帯だらけ(ぎゃあっ、ミイラ女!!)だった。
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