270人が本棚に入れています
本棚に追加
……火って、思ったより熱くないんだ……。
ちょっと、ヒリヒリするけど。
ん?………あたし、生きて…る?
「……ありゃ??」
パチっと目を開ける。
…白い天井に、豪華なシャンデリア。
フカフカな感覚を背中に感じる。……妖魔人の館のベッド…じゃない?
ぼんやりする頭を横に向けてみると。
わっ…!?
夕羅の寝顔の超アップ。
あたしが寝かされてるベッドに、頭だけもたれ掛かってる。
しかも、あたしの包帯で巻かれた左手を、彼の手がしっかりと握っていた…。
「え?…え!?な、何がどうなって…」
「綺流兎!気付いた!?」
「きーちゃんっ!平気!?」
架那、そして蒼大くんの心配顔が夕羅の背後から、ぴょこっと現れた。
「ここどこ?あたし…燃えたんじゃなかったっけ?」
「ここは守源国の城内。里乎って娘の計らいで、客室を貸して貰ってるの」
里乎さんが…??
ふと自分の体を見ると、首から下は、包帯だらけ(ぎゃあっ、ミイラ女!!)だった。
最初のコメントを投稿しよう!