第7章 長い一日の終わりと始まり

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「軽い火傷(ヤケド)…まぁ、ひどい日焼けみたいな状態ね。顔と髪は、ほとんど無傷で良かったわぁ」  そういや、少し毛先が焦げ臭く、縮れてる。…頭に直火を浴びてたら、アフロヘアーになってたワケ?……お、恐ろしい。 「火鷹兄ちゃん……きーちゃんが王子をかばおうとした時、炎を弱めたんだ。なぜか、わからないけど…」  ……火鷹…。  あの時、炎を弱めたって事は、彼にも良心があるんだろうか。  どうしてあんなにも、夕羅を憎むの?  ……わからない事だらけだ。 「(やかた)に帰ったら、強力な塗り薬あるから安心なさいな。きれいさっぱり治るわよぉ!」  明るく架那が言った。 「うん、ありがと。……にしても、こんな騒いでるのになんで起きないの?まだ具合(ぐあい)悪いの?」  あたしは、ぐっすり眠ってる夕羅に視線を移す。 「さっきまで起きてたのよぉ。アンタの目が覚めるまで付いてるって言って…色々大変だったんだからぁ」 「…色々、って?」
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