第7章 長い一日の終わりと始まり

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「あ、ありがとうございますっ!部屋貸して頂いたり、手当てまで…」 「(かしこ)まらないで?私、まだ王妃じゃないし、…それに貴女(あなた)とは普通に会話したいの、…友達みたいに。」  そう言って微笑む。 「うん…じゃあ…、ありがとっ、里乎さん」 「『里乎』でいいわよ、綺流兎」  近々王妃になる人に、呼び捨て、っていいのか?…ま、いいか。 「そういや、大丈夫だった?国王様とモメてたでしょ?」 「ええ、ごめんね、(ショウ)ちゃんが迷惑掛けて」  『ショウちゃん』?誰ですかい、そりゃ。  あたしが疑問顔を向けると、里乎は照れながら言った。 「あっ、彰円王だから、彰ちゃん。そう呼ぶ事にしたの」  あたしが気絶中に。  愛人作ろうとしてたの知って、怒った里乎が国王の仮面を、無理矢理ひっぺがした…らしい。 「それで彼の素顔を初めて見て…。一目惚れ、したの」 「えぇっ!?」
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