プロローグ

2/2
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
『あっ、雨だぁ~。 制服が濡れちゃうょ。健太!傘持ってないの~?』 『持ってな~い』     僕は 冷たい夏の雨に打たれて 校舎まで由香里とダッシュした。     雨も止みグラウンドに戻ると 透き通った青い空に 七色の虹が光って見えた。 僕ら2人は その光が消えるまで …ずっと見ていた。       由香里が 黙っているのは、かなり珍しい。 学校で1、2を争うおもしろい娘で、 先生のモノマネをしては皆を笑わせているような子だ。       僕は、また空を見上げた。    僕達は 今年の夏でサッカー部から引退する。    
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!