視線

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「お前まだそこにいんのか?」 ため息まじりの声。 私はそれだけでうれしいの。 他には何も望まない。 あなたが楽しそうに笑うなら。 あなたがスヤスヤと眠るなら。 あなたが悲しい顔をしないならそれでいいの。 あなたが泣いたりしなければそれでいいの。 ただあなたを傍で見つめられれば………。 「最近なんか視線感じるんだよなぁ」 「えっ、やだリョータ霊感あるの」 「全然!でもなんかなぁ」 「疲れてるんじゃないの?今日はおうちデートやめて外でよっか」 「んー、そうだな」 「あっ、あそこ!クモいるじゃん!気持ちわるい」 「あぁ、あの辺定位置」 「はぁ?ペットじゃあるまいし殺したら?私クモ嫌いなんだよね」 「そんな殺さなくても…」 「ダメ!じゃないとこの部屋こないからっ」 「うーん、エリナがこないのは困るなぁ…」 バンッ!!! あなたの傍にもう少しいたかった………。
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