2人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕を連れて行ってください!お願いします!強くしてください!」
弘和は、大きな荷物を持ってそう言った。親に黙って家出してきたのだ。
すると、
「家に戻れるのはだいぶ先になる。本当にいいんだな?」
「ええ。別に戻れなくても構いません。そのつもりで来たんですから!」
「そうか。いいだろう。私について来るといい。それから私の名前はレミーラだ。これからはそう呼んでくれ。」
その人が初めて名乗った。「彩楼弘和です。」
「弘和か…。よろしくな…。」
早速レミーラについて行くとスクラップ工場みたいな場所に着いた。壊れた車やガラクタが沢山ある。
「ここですか?」
レミーラに聞くと、
「ちょっと待っていろ。」すると、レミーラが地面に手をかざす。
急に黒い闇が現れ、目の前に不気味な道が姿を現わした。
「恐がる事はない。この道はお前が住むこっちの世界、つまり人界へ繋がるダークロードと言われる道だ。もっとも、ダークロードは他の世界にも繋がっているけどな。」
「は、はい……」
ダークロードを歩いて行くと、暗い廃墟のような場所に着いた。
【運命の誘い】 《終》
最初のコメントを投稿しよう!