夕立。

2/2

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
突然降った夕立 足止めをくらう 傘を持っていなくて ぼうっと外を眺めた。   ガラス越しのアタシが 泣いてるように見えて 心の中を覗いてみた。 「カナシイコトガ アッタノ?」 うつむくアタシは答えなかった   いつか見た時間のよう 雨上がりを待つは アナタを待つあの日のアタシと似ていて いつか見た時間のよう 迎えにきたのではなく 通り過ぎただけなのね。   短いシャワーの後は 夜が押し寄せてきて 闇の奥に アタシをしまおうとするの   静けさの中にもスパンコール ちょっとだけ照らし出して 「ヒトリデ ナカナイデ?」 指の透き間から空を見上げた   いつか見た時間のよう 雨上がりを待つは アナタを待つあの日のアタシと似ていて いつか見た時間のよう アナタは夕立だったのね。   傘を持ってないから 一緒に歩けない? 走っても走っても アナタには追いつけない? いつだって 違う方角見てたのかもネ。 いつだって コトバの数だけ ココロは交わっていたのかな?
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加