1魂 友達

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前半の授業も終わり、昼休みがくると、私は、さっさと教室を抜け出し、弁当を持って、屋上への階段を駆け上がった。 今日みたいな、文句なしに晴れた日は、いつもここで弁当を食べるのが、私の楽しみだった。 「め~いちゃん」 気の抜けるような、声が私を呼んだ。 茶髪で、カールのかかった髪の少女が、にっこりと笑っている。 舞子だ…… その一辺の憂いも無い笑顔に、私は、思わず顔を反らした。 「ここにいたんだね~みんなと一緒に食べないの?」 明るく、無邪気に笑う舞子がそう言うと、私は、弁当のおかずで、好物の卵焼きを食べると、言った。 「騒がしいのは嫌いなの」 そう一別して、ご飯を口に運ぶ。 「ほぇ~ほらぁたこさんウインナー」 舞子が、笑いながら自分の弁当のおかずであるウインナーを、箸でつかまえ……いやつかむと、嬉しそうに私に見せる。 「はい、いっこめいちゃんにあげる」 そう言って、舞子は私に、たこさんウインナーを差し出す。
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