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私は
「あ、ありがとう」
と少し戸惑いながら短く礼を言うと、たこさんウインナーをパクッと口に運んだ。
こんなに幼くて純真で明るい子……とても同級生とは思えない
二人は、いわゆる楽しいランチタイムを送った。
ふと、舞子が、弁当を慌てて片付けると、立ち上がって言った。
「めいちゃんごめ~ん私、先生に呼ばれてたのこってり忘れてたぁ」
それを言うならすっかりだよ天然ボケ娘……と心の中でつっこむと、黙って手を振った。
「放課後またはなそーねめいちゃん」
舞子は、それだけ言うと、軽快な足取りで、屋上を後にした。
私は食べ終わった弁当を片付けると、ぼんやりと考えていた。
この高校に入ってから、友達なんか作ろうともしなかったし、ましてや、一緒に話しながら弁当を食べるなんて事は有り得なかった。
「那瀬 舞子……不思議な子……」
私は、そう呟くと、屋上を後にした。
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