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「うぅ……」
薄れゆく意識と、ふいにあがるうめき声……
そこには、血だらけの俺がいた。
そして、俺の側には……ありえない形にひしゃげた、列車の姿があった。
あれでは、中の人は助からないだろう……
俺は、崩れ落ちた鉄橋の瓦礫に挟まれ、動くことができなかった。
きっと、事故の衝撃で、外に投げ出されたに違いない
しっかし、橋と列車の距離を考えても、列車は相当スピードを上げていたのだろう……
最近地震が頻発しており……
今回も、大規模な地震がこの地域を襲った。
その地震の影響で、脆かった橋は、意図も簡単に崩れ落ちた。
きっと国が、コスト削減とか言って、ろくに補強もせず、耐震作業すら行わなかったせいだろう……
そんな事を考え、この世を恨みながら……
だんだん俺の意識は、遠退いていった。
そう……これから起る、信じられない出来事なんて、予想できるはずもなかったんだ。
~魂巡り
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