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「ん?ここはどこだ」
俺は、見渡す限り真っ白で、殺風景な空間に立っていた。
「あぁ……そうか俺、死んだのか……じゃあここはあれか?死後の世界ってやつか」
俺は、すぐに今の状況を理解した。
「ようこそ記憶の彼方へ」
急に後ろから、声がしたので俺は、思わず振り返った。
そこには……
肩まで届く黒い長髪、巫女が着るような、白い袴姿の女性がいた。
「なるほど、ごていねいに案内人までいるのか」
俺は、ぶっきらぼうに言ったが、その女性の悲しげな顔が、少々気になった。
「ここは、貴方の記憶の世界、あなたが転生する前に、貴方の中に眠る様々な記憶をかいまみえる場所」
「ふ~ん」
俺は、差ほど気にとめず、生返事で答えた。
「死んだら地獄とか、天国とやらってやっぱ無いんだな……しかしなんで俺の記憶に、他人のあんたがいるんだ?」
なかなか筋の通った、且つ、率直な疑問をぶつける。
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